最近、平日朝6時から、「古楽の楽しみ」という FM NHKの放送を聴くのが日課になっています。
先月だったと思いますが、
チェロ特集の日がありました。
チェロの歴史の本当に最初の方の
チェロの曲の特集でした。
すごくよかったです!
でも、、、
放送された曲の作曲者は、
ロッコ・グレコ、
ピエトロ・ジュセッペ・ボーニ、
フランチェスコ・スプリアーニ、
サルバトーレ・ランゼッティ、
ジョバンニ・コスタンチ、
ポルポラ ???
勉強不足です、、、よく聞いたことのない名前ばかり、、、
おそらく、全員チェリスト。
演奏家として人気があった人が自分が弾くためにその楽器の曲を書いて、
それでまた、作曲家としても有名になった人、、、いますね。
ピアノでは、ベートーベンにショパンにリスト。
ヴァイオリンでは、ヴィヴァルディ、パガニーニ、クライスラー。
チェリストで作曲家として有名な人はいるのでしょうか?
多くの人が名前を知っている人といえば、ボッケリーニとオッフェンバックがいます。
名前は聞いたことある、でもこの二人、チェリストだったとは知らなかった、という方多いのでは、と思います。
ボッケリーニは大変な名手だったそうです。
でも一般に有名なのは、ボッケリーニのメヌエットという曲。
これは弦楽五重奏曲の中の一曲。
オッフェンバックは「天国と地獄」が日本でもおなじみ。
これはオペレッタの序曲。オーケストラで演奏されます。
2つともチェロの曲ではありません。
チェロの小品をたくさん書いてチェロを弾く人の間で有名なチェリスト兼作曲家といえば、ハンガリーのポッパーという人の名前が上がるかと思います。
が、多分チェロを弾かない方はご存知ではないでしょう。
というわけで、今、知られているチェロの数々の名曲を書いた人は全員チェリストではないのですね。
私達チェロを弾く人間が、昔のチェリストの名前を知るのは、もっぱら教則本の著者としてです。
いちばん有名なのは何と言ってもウェルナー先生。
あと、、、ドッツァウァー、リー、グリュッツマッハー、コスマン、ピアッティ、ロンベルク、デュポール、フランコーム etc. 。
そして、 ポッパー。
すみません、このくだりは、チェロのレッスンを長く続けたことのない方には呪文だと思います、、、。
他方、天才作曲家の友人として、作曲家にインスピレーションを与えた名手たちの名前が残っています。
バッハの無伴奏チェロ組曲の陰に、
アーベル
ハイドンのチェロ協奏曲2番の陰に、
クラフト
ベートーベンのチェロソナタの陰に、
デュポール兄弟
ショパンのチェロソナタの陰に、
フランコーム etc.
これらの先生たちのアドヴァイスによって、技術的に演奏可能な、また、演奏効果の高い曲に仕上げられたというわけですね。
このような昔のチェロの先生たちが作った曲も、実はたくさんあります。
ただ、楽譜は残っているものの、あまりメジャーではなく、多くは学習者のために作られたものでしたので、以前は録音で聴く機会はほとんど持てなかったのです。
が、今どきは、YouTube で、
出てきます、出てきます ‼
いい曲でしょう?
これらを作曲した先生たちは、どんなチェロを弾かれたんでしょうね。
聴くことは絶対にできませんけど、自分の弾けないものは書かないと思うので、これらの練習曲の難しさから考えると、相当うまかったんだろうなー、と思う今日この頃です。