年齢を重ねても、脳は進化する!
動きを洗練させることによって、脳が進化する!
『動きが脳を変える 活力と変化を生みだすニューロ・ムーブメント』 の読書レポート第二弾です。
著者アナット・バニエルさんは、脳を目覚めさせるための方法として、「9つの大事なこと」を提案しています。
1.動きに注意を向ける
2.学びのスイッチをオンにする
3.力をぬいてわずかな違いに気づく
4.バリエーションをとりいれる
5.ゆっくりの力を知る
6.内なる熱狂をよびさます
7.目標設定はゆるやかに
8.夢をみる力,想像する力
9. 気づいているということ
レポートします!
1、動きに注意を向ける
この本の著者アナット・バニエルさんの師匠、フェルデンクライスメソードで有名なモーシェ・フェルデンクライス博士の言葉です。
「動くことは、命そのものだ。動きのない命など考えられない。」
確かに人間は起きているときはずっと動いていて、寝ていてもやっぱり動いていますね。
生きている限り身体を止めることはできません。
ただここで言う動きは、骨や筋肉の動きだけではありません。
考えること、感じること、思うことなど心の動きもふくまれます。
感動という日本語がありますが、「感情が動いた」と書きます。
「心が動いた」なんて言い方もしますね。
英語だと “I was moved.” と言います。
脳は一つ一つの動きにともなう無数の神経回路を整理整頓しています。
この脳の働きによってエネルギッシュでいられるか、無気力になってしまうかが決まり、ひいてはどのような人生をおくるかが決まってしまいます。
身体の動き、心の動きの質が私たちの人生を決めるのです。
小さな子供は、動きながら新しいことをどんどん習得していきます。
脳に新しい回路がどんどん作られていきます。
大人になるとどうかと言えば、新しいことを始めるとしばらくはやはり脳に新しい回路は作られるそうです。
が、しばらくすると自動操縦モードとなり、脳のシナプスはつながれなくなっていくそうです。
この自動操縦モードは習慣的な動き(典型的な例としては慣れた人の車の運転)で、人間が生きていく上では必要なものです。
が、ここからは、新しい学び、感動、脳の進化は起こりません。
自動操縦モードにならないためには、自分の動きに注意をむけること。
動きの速さはどうか、快適かどうか、呼吸はどうか、何を感じているか。
ただ、ひたすら、身体の動きに注意を向け、心を観察する。
このようにして意識を今ここだけに集中するということが大事、と書かれています。
2. 学びのスイッチをオンにする
♬ヤルキ―スイッチ 君のはどこにあるんだろー♬ というCMのフレーズ思い出しました。
私たちは何度も何度も繰り返し練習しなさい、という教育を受けてきました。
それができなくて、自分は根気がない、自分はダメだ、と思ったことないですか?
私はいつも思ってました。
でも、人間は同じことを繰り返していたらやっぱり飽きますよね。
これが、自動操縦モードの罠です。
一方、毎日毎日何時間も同じことを繰り返しているように見えるけれども、素晴らしい成績を残しているアスリートや、いつも感動をふりまくアーティストの方々はたくさんいらっしゃいます。
そういう方たちの脳はきっと、その一瞬一瞬が新しく、心の中は常に好奇心に満ち満ちているにちがいありません。
そしてそうなるように心(脳)を管理しているのでしょう。
では、どうやって管理をするのでしょうか?
「すでに知っていること」を頼りにして何かをするとき、私たちは繰り返し、同じ経験を作り出しています。
行動は習慣的になると「退屈」、「飽きた」、となり、学びのスイッチがオフになります。
発見や創造や発明がもたらすはじけるようなエネルギーは失われてしまいます。
この本では学びのスイッチをオンにする方法として、「すでに知っている」「まえにもやった」を手放し、「初心にかえる」ということが提案されています。
古い情報が動きの制限、活力の減退をもたらしているのです。
脳に新しい情報を送るように、と言っています。
私は初心者の生徒さんと出会うたび、生徒さんと一緒に、教則本の1ページを開き、基礎の基礎に、向き合うことになります。
そして、生徒さんがもしうまくいかなければ、私は私がやってきた方法を手放さなければならないこともおきます。
でもこれによって私自身が進化した、と思うことがたびたびあります。
晩年のパブロ・カザルス(チェロの巨匠)の言葉をご紹介いたします。
『仕事をして、それに嫌気がささない人はけして歳をとらない。
仕事と価値あることに対する興味は不老長寿のいちばんの薬だ。
毎日私は新しく生まれる。
毎日私はゼロから始める。』
今日は「9つの大事なこと」の 1番、2番をレポートしました。