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チェロのルーツ

コンサートで、チェロのお話お願いします、と言われることがよくあります。

 

 

どうしよう、と思って、チェロの歴史調べたりしているうちに、だんだん詳しくなりました。

 

 

楽器の歴史って、音が残っているわけではないし、難しいと思うのですが、残されている絵画や彫刻などから研究されるそうです。

 

 

 

 

チェロはチェロとして出現したのではなく、ヴァイオリンの大型、低音のものとして生まれました。

チェロは大きなヴァイオリンです。

バスヴァイオリンと呼ばれていました。

 

 

ヴァイオリンの伴奏をするために低い音の楽器としてヴィオラ、チェロ、コントラバスみたいな楽器が生まれました。

 

 

みたいなというのは、弦の数やサイズなんかは初めの頃は玉石混合だったようで、ずっと後になってストラディヴァリウスが作ったものが今のサイズとして固定されたのたのだそうです。

 

 

 

 

 

チェロのルーツはヴァイオリン。

ではヴァイオリンのルーツは?というと、アラビア(中東、イスラム圏)のラバーブという楽器ではないかと言われています。

 

 

そしてこの楽器が中世にヨーロッパに伝わり、スペインとフランスで演奏されていたレベックという楽器になったそうです。

 

 

 

このレベックという楽器が、ヴィオラ・ダ・ブラッチョ(腕で支える弓奏擦弦楽器)と呼ばれる楽器になり、これが、今のヴァイオリン始まりです。

ラバーブ

レベック


同じ頃に、ヴイオラ・ダ・ブラッチョに対して、ライバルみたいにヴィオラ・ダ・ガンバ(脚で支える弓奏擦弦楽器)という楽器の一族が出てきましたが、こちらはチェロみたいに脚で支えるけれども、起源が違って系統の異なる楽器なのだそうです。

 

 

 

そして、このヴィオラ・ダ・ブラッチョの伴奏というか、合奏の低音部分を受け持つために低い音の出せる大きなヴィオラ・ダ・ブラッチョとして生まれたのがチェロというわけです。ブラッチョ(腕)の系統なのに大きくて重かったので、不覚にも脚で支えることになったというわけです。

 

 

 

 

前出のアラビアのラバーブは、東にも伝わり、モンゴルで馬頭琴になり、中国で二胡になったそうです。

馬頭琴って、小学校の教科書に出てくる「スーホの白い馬」というお話で有名なアレですね。

 

 

 

馬頭琴と二胡はチェロの親戚だったのですね!

 

 

  

馬頭琴

二胡


ちなみにリュートという楽器ご存知かと思いますが、この楽器は古代ペルシャのバルバットという楽器が起源で、アラビア半島でウードと呼ばれ、ヨーロッパの伝わりリュートとなったそうです。そしてなんと、シルクロードを東にも伝わり、中国でピパとなり、日本で琵琶となったそうです。

 

 

 

昔から、世界は音楽でつながっていました!

リュート

琵琶