数日前、カルテット(弦楽四重奏)のリハーサルがありました。春の本番に向けてのまずは曲決め、その中の一曲に、ハイドンの"日の出”という名前の付いたカルテットをやりましょう、ということになりました。
ハイドンと言えば、昔、小学校の音楽室の壁に貼ってあった作曲家の肖像画でなんとなく覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。
ハイドンは『交響曲の父』と呼ばれているのはご存知の方、いらっしゃると思いますが、『弦楽四重奏の父』とも呼ばれています。
ハイドンは、ヴァイオリン2台、ヴィオラ、チェロという編成の弦楽四重奏というスタイルを初めて作った人です。
弦楽器奏者はみんな弦楽四重奏が大好き。ハイドンは私たちにとって特別な作曲家です。
チェロに関して言えば、それまでのヴィヴァルディ、バッハ、ヘンデルに代表されるバロック時代の作曲家が作る合奏の作品には必ず、チェンバロというピアノの前進?の鍵盤楽器がはいり、チェロとコントラバスとチェンバロの左手が同じ楽譜を弾くというスタイルでした(同じ楽譜と言ってもコントラバスは1オクターブ低い音が出ますが)。
これを通奏低音といいます。
ところがハイドンはチェロをこの通奏低音群から独立させてくれたのです!
独り立ち! うれしい!
ハイドンは(当時としては)とっても長生き(77歳没)だったので、生涯にたくさん弦楽四重奏の曲を書きました。
ハイドンの25歳年下のモーツァルトは、ハイドン先生をとっても尊敬していてハイドン先生にみてもらってアドヴァイスを受けたくて、6曲からなる弦楽四重奏曲を作りました。
これが、のちにハイドンセット(“狩” “不協和音” などが入っている)と言われるようになった人気の作品群です。
その後、ベートーヴェン、ブラームス、ドヴォルザークetc.・・・らによって弦楽四重奏の名曲が次々と生み出されていきました。
現代日本でも、結婚式で弦楽四重奏、パーティーで弦楽四重奏、ホテルのレストランで弦楽四重奏等、コンサートに足を運ばない方でも聴かれたことがあるかもしれません。
私も何度もパーティで弾かせていただいています。
ハイドン先生ありがとう!
チェリストにとってハイドンといえば、2曲のチェロ協奏曲を忘れてはなりません。
バッハもモーツァルトもベートーベンも書いてくれなかったチェロ協奏曲をハイドンは2曲も書いてくれました。
ハイドンのチェロ協奏曲についてはまたの機会に書きたいと思います。